昨日の優海との会話がまだ胸の奥で温かく残っていた。
——優しい人だった。
——敵ではなかった。
——むしろ、救われた。
そう思うのに胸の奥にはまだ痛みが残り、“婚約者”という言葉の傷は一晩では消えなかった。
でも優海の言葉がその傷をそっと撫でてくれたような気がして、柚歩は小さく息を吐いた。
「……仕事、しないと」
自分に言い聞かせるようにパソコンを開き、画面に映る文字が少しだけ滲んで見えた。
深呼吸をして気持ちを整えようとしたそのとき。
「葉山さん、おはようございます」
背後から聞こえた声に心臓が跳ねた。
振り返らなくても分かる。
——我妻琉生。
昨日、避けてしまった。
その罪悪感が胸に広がり、ゆっくり振り返ると琉生が少しだけ距離を置いて立っていた。
その距離が柚歩の心をさらに締めつけた。
「……おはようございます」
声が震え、琉生はいつもの落ち着いた表情のまま少しだけ視線を落とした。
「昨日は……大丈夫でしたか……」
その言葉に胸が痛む。
——気づいてる。
——避けたことも、震えていたことも。
でも責めるような言い方じゃなく、ただ心配しているだけで、その優しさが余計に苦しかった。
——優しい人だった。
——敵ではなかった。
——むしろ、救われた。
そう思うのに胸の奥にはまだ痛みが残り、“婚約者”という言葉の傷は一晩では消えなかった。
でも優海の言葉がその傷をそっと撫でてくれたような気がして、柚歩は小さく息を吐いた。
「……仕事、しないと」
自分に言い聞かせるようにパソコンを開き、画面に映る文字が少しだけ滲んで見えた。
深呼吸をして気持ちを整えようとしたそのとき。
「葉山さん、おはようございます」
背後から聞こえた声に心臓が跳ねた。
振り返らなくても分かる。
——我妻琉生。
昨日、避けてしまった。
その罪悪感が胸に広がり、ゆっくり振り返ると琉生が少しだけ距離を置いて立っていた。
その距離が柚歩の心をさらに締めつけた。
「……おはようございます」
声が震え、琉生はいつもの落ち着いた表情のまま少しだけ視線を落とした。
「昨日は……大丈夫でしたか……」
その言葉に胸が痛む。
——気づいてる。
——避けたことも、震えていたことも。
でも責めるような言い方じゃなく、ただ心配しているだけで、その優しさが余計に苦しかった。

