——こんな時にまで、どうして私は。
深呼吸をした、その瞬間だった。
革靴の足音が静かな廊下に響いた。
その音は迷いなくまっすぐこちらへ向かってきて、柚歩は顔を上げた。
視界の先に、息を切らした我妻琉生が立っていた。
胸が跳ね、呼吸が止まる。
「……葉山さん」
その声はいつもより少し荒くて、でも確かに自分を呼んでいて、胸の奥がきゅっと縮んだ。
「どうして……ここに……?」
言葉が喉でつかえ、自分でも驚くほど声が震えた。
琉生は一歩近づき、周囲を見回すように視線を走らせた。
「……彼女は?」
“彼女”
その言葉だけで胸がざわつき、柚歩は震える指で処置室の扉を示した。
琉生の表情がわずかに強張り、息を整えるように深く呼吸した。
その横顔に、柚歩は言葉にならない痛みを覚えた。
待合室の白い光が二人の影を静かに落とし、
その沈黙は、次の瞬間に訪れる“真実”へ向かってゆっくりと流れていった。
——ここから、何かが変わる。
胸の奥の揺れは、もう止められなかった。
深呼吸をした、その瞬間だった。
革靴の足音が静かな廊下に響いた。
その音は迷いなくまっすぐこちらへ向かってきて、柚歩は顔を上げた。
視界の先に、息を切らした我妻琉生が立っていた。
胸が跳ね、呼吸が止まる。
「……葉山さん」
その声はいつもより少し荒くて、でも確かに自分を呼んでいて、胸の奥がきゅっと縮んだ。
「どうして……ここに……?」
言葉が喉でつかえ、自分でも驚くほど声が震えた。
琉生は一歩近づき、周囲を見回すように視線を走らせた。
「……彼女は?」
“彼女”
その言葉だけで胸がざわつき、柚歩は震える指で処置室の扉を示した。
琉生の表情がわずかに強張り、息を整えるように深く呼吸した。
その横顔に、柚歩は言葉にならない痛みを覚えた。
待合室の白い光が二人の影を静かに落とし、
その沈黙は、次の瞬間に訪れる“真実”へ向かってゆっくりと流れていった。
——ここから、何かが変わる。
胸の奥の揺れは、もう止められなかった。

