救急車が総合病院に到着すると、夜の空気はさらに冷えていた。
救急隊員がストレッチャーで説明しながら優海を運んでいく。
「……ごめんね……ほんとに……」
弱々しい声なのに、どこか無理に明るさを保とうとしていて、その健気さが胸の奥に静かに触れた。
救急治療室前で待つように言われ、柚歩はそこで立ち尽くした。
しばらくすると、看護師が近づいてきた。
「女性のご家族の連絡先、分かりますか?」
初めて会ったばかりで何も知らないことを伝えると、看護師はカルテを確認しながら言った。
「こちらの病院でかかってらっしゃったことがあるみたいで、ご家族に連絡しました。婚約者の方が向かっているそうです」
看護師は早口で用件だけ話すと去っていった。
胸の奥で説明できないざわつきが広がる。
心配、不安、そして——なぜか胸が苦しい。
スマホを握りしめる画面には“我妻琉生”の名前が静かに並んでいた。
——どうして、こんな時に。
そう思うのに見てしまう。
深呼吸をしたその瞬間、待合室の白い光がどこか冷たく感じられた。
優海が処置室へ運ばれていってからどれくらい時間が経ったのか分からず、スマホを握りしめたまま何度も画面を点けては消し、そのたびに“我妻琉生”の名前が胸を締めつけた。
救急隊員がストレッチャーで説明しながら優海を運んでいく。
「……ごめんね……ほんとに……」
弱々しい声なのに、どこか無理に明るさを保とうとしていて、その健気さが胸の奥に静かに触れた。
救急治療室前で待つように言われ、柚歩はそこで立ち尽くした。
しばらくすると、看護師が近づいてきた。
「女性のご家族の連絡先、分かりますか?」
初めて会ったばかりで何も知らないことを伝えると、看護師はカルテを確認しながら言った。
「こちらの病院でかかってらっしゃったことがあるみたいで、ご家族に連絡しました。婚約者の方が向かっているそうです」
看護師は早口で用件だけ話すと去っていった。
胸の奥で説明できないざわつきが広がる。
心配、不安、そして——なぜか胸が苦しい。
スマホを握りしめる画面には“我妻琉生”の名前が静かに並んでいた。
——どうして、こんな時に。
そう思うのに見てしまう。
深呼吸をしたその瞬間、待合室の白い光がどこか冷たく感じられた。
優海が処置室へ運ばれていってからどれくらい時間が経ったのか分からず、スマホを握りしめたまま何度も画面を点けては消し、そのたびに“我妻琉生”の名前が胸を締めつけた。

