Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー

美桜が去ったあと、要が近づいてきて、肩越しに軽く笑いながら言った。

「美桜、あれで精一杯なんだよ。あいつなりに気にしてたんだと思う」

柚歩は頷き、要は続けた。

「それに……昨日の来訪者の人。あの人の言葉、効いたんじゃねぇかな」

柚歩の胸が跳ね、息が止まりそうになる。
要は気づいていないふりをして軽く笑った。

「まあ、あんな言い方されたら、誰だってハッとするよな。優しいっていうか……なんか、芯がある感じ?」

柚歩は俯き、胸の奥がじんわり熱くなり、言葉にならない揺れが静かに広がっていく。

また会えるのかな。
会いたい、なんて思ってしまうのは変だろうか。

要はそんな柚歩の表情を見て、少しだけ目を細めた。

「……柚歩、今日ちょっと顔赤いぞ」

柚歩は慌てて首を振り、要は優しく笑った。

「無理すんなよ。なんかあったら言えよ」

柚歩は小さく頷き、そのときデスクの上のスマホが震えた。
画面には会社の代表アドレス宛に届いたメールの通知が表示された。

『Ciel Bleu コラボ企画・追加打ち合わせの件』

柚歩の心臓が一瞬だけ強く跳ね、胸の奥が静かに、でも確かに揺れた。

——また、来るの……?

その揺れは小さくて、でも確かに未来へ向かっていた。