Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー

祭壇の前に立つ三人を、式場の青が静かに包んでいた。
深い青は、これまでの道のりをそっと抱きしめるようで、
ラピスラズリの光は未来を照らすためにそこにあった。

神父の声が静かに響き、指輪交換の時間が訪れる。

愛生がリングピローを抱えて歩いてきた。
小さな足音が式場に優しく広がり、
その音が空気をふっと柔らかくする。

愛生は祭壇の前で立ち止まり、
少し緊張したようにリングピローを差し出した。

柚歩はその姿を見て、胸の奥が温かくなる。
愛生の髪にそっと手を伸ばし、優しく撫でた。

「ありがとう、愛生」

愛生は胸を張って頷いた。
その仕草が、未来へ向かう家族の形をそっと示していた。

琉生が指輪を手に取る。
その指先は迷いなく、けれど優しい温度を宿していた。

柚歩の左手が静かに差し出される。
その指に触れた瞬間、
胸元のラピスラズリがふっと揺れた。

深い青が光を返し、
式場の青と呼応するように広がっていく。

琉生が指輪をそっとはめる。
その瞬間、
“二人の光が家族の光へ変わる”
そんな象徴のように、ラピスラズリが淡く光った。

柚歩は息を吸い、
琉生の指に指輪をはめ返した。

その手は震えていなかった。
未来へ向かうための、確かな温度を宿していた。

指輪がはまった瞬間、
式場の空気がふっと温かくなる。

愛生が二人を見上げて、
小さな声で言った。

「ふたりとも、きれい……」

その言葉は、
ただの感想ではなく、
三人が家族として結ばれた瞬間をそっと祝福する光だった。

優海、麻衣は涙ぐみながら柔らかく笑い、久遠が優海にそっとハンカチを差し出した。
式場の青がその笑顔を静かに包み込む。

柚歩は琉生の手を握り、
琉生も握り返した。

その手の温度は、
もう迷いのない未来の温度だった。

ラピスラズリの光が、
二人の胸元で静かに揺れ続ける。

それは、
家族として歩き出す三人を照らす光だった。