スタジオの空気は、プロポーズの余韻をまだ抱えていた。
柚歩の指先には、差し出された指輪の温度が残っている。
胸元のモルガナイトがふっと揺れ、未来の形が静かに生まれようとしていた。
そのとき——
スタジオの扉が小さく開いた。
「……ママ?」
愛生が顔をのぞかせた。
夜のスタジオの光に照らされて、その瞳はいつもより少しだけ大きく見えた。
柚歩の手元の指輪に気づいた瞬間、愛生の目がぱっと輝いた。
トコトコと二人に近づいた。
そして、ためらいなく言った。
「……パパ?」
その一言は、誰も想像しなかった。
スタジオの静けさよりも静かで、
けれど胸の奥にまっすぐ届くほど強かった。
琉生は息を呑んだ。
驚きと、喜びと、少しの震えが混ざった呼吸だった。
「……愛生……」
柚歩は涙をこらえながら、愛生を抱きしめた。
覆面のない頬に触れる愛生の温度が、
未来の形をそっと確かめるように広がっていく。
「パパ、ママとけっこんするの?」
愛生がもう一度、確かめるように言った。
その声は小さいのに、
未来を決めるには十分すぎるほどまっすぐだった。
琉生は喉を震わせながら答えた。
「……うん。そうだよ、愛生」
その瞬間——
家族の形が“言葉”として確定した。
胸元のペンダントがふっと揺れ、
淡い桃色の光がラピスラズリの青へと溶けていく。
未来へ進む青が、静かに生まれた。
柚歩の指先には、差し出された指輪の温度が残っている。
胸元のモルガナイトがふっと揺れ、未来の形が静かに生まれようとしていた。
そのとき——
スタジオの扉が小さく開いた。
「……ママ?」
愛生が顔をのぞかせた。
夜のスタジオの光に照らされて、その瞳はいつもより少しだけ大きく見えた。
柚歩の手元の指輪に気づいた瞬間、愛生の目がぱっと輝いた。
トコトコと二人に近づいた。
そして、ためらいなく言った。
「……パパ?」
その一言は、誰も想像しなかった。
スタジオの静けさよりも静かで、
けれど胸の奥にまっすぐ届くほど強かった。
琉生は息を呑んだ。
驚きと、喜びと、少しの震えが混ざった呼吸だった。
「……愛生……」
柚歩は涙をこらえながら、愛生を抱きしめた。
覆面のない頬に触れる愛生の温度が、
未来の形をそっと確かめるように広がっていく。
「パパ、ママとけっこんするの?」
愛生がもう一度、確かめるように言った。
その声は小さいのに、
未来を決めるには十分すぎるほどまっすぐだった。
琉生は喉を震わせながら答えた。
「……うん。そうだよ、愛生」
その瞬間——
家族の形が“言葉”として確定した。
胸元のペンダントがふっと揺れ、
淡い桃色の光がラピスラズリの青へと溶けていく。
未来へ進む青が、静かに生まれた。

