Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー

要は柚歩の横に立ち、空を見上げながら言った。

「さっきのこと、気にすんなよ。美桜は悪い奴じゃないけど……言い方がな。あれは俺でもムッとする」

柚歩は首を横に振った。
ペンダントがかすかに光った。その光に要が気づいたように目を細めた。

「柚歩のそのペンダント、前からつけてるけど、大事なものなのか?」

柚歩は静かにうなづいた。

「それに……助けてくれた人、いたろ?来訪者の人。デザイナーの……えっと、名前は聞いてないけど。あの人、言い方すげぇ優しかったな」

柚歩の胸が熱くなり、風がまた吹いた。
髪が揺れ、ペンダントが光を返し、その光が胸の奥の揺れと重なっていく。

要はその光を見つめながら、少しだけ寂しそうに笑った。

「……柚歩。あの人のこと、気になってる?」

柚歩は慌てて首を横に振った。
でも胸の奥は嘘をつけず、熱が広がり、苦しくて、でもどこか温かかった。

俯いた視界の端で夕陽が沈みかけ、屋上の影が長く伸びていった。

——あの人の声が、まだ胸に残っている。

柚歩は空を見上げた。
また会えるのかな。
その問いは風に溶け、静かに消えていった。