弾みで恋人を殺してしまった。死体は廃墟の井戸に捨てた。もう水の枯れた、形ばかりの井戸だ。厚い板で蓋をし、それがずれないよう、上から重い石をいくつも置く。大丈夫、誰も気付かない。そう自分に言い聞かせ、私は家に帰った。それから数ヵ月。私は今日も1日、無事に過ごせたことに安堵しながら、帰路に就く。が、その途中で私は何かに躓く。視線を落とせば、そこには、厚い板と沢山の石が散らばっていた。