みてぃ

待ち合わせ当日。

仕事を終えて居酒屋へ向かう。

六月の夜風が心地いい。

店の暖簾をくぐると、先に着いていた莉美が大きく手を振った。

「こっちこっち!」

個室へ案内される。

そこには莉美と旦那さんの姿しかなかった。

「あれ?」

私は首を傾げた。

「紹介してくれる人は?」

すると莉美が気まずそうな顔をした。

「あー……それがさ」

嫌な予感がした。

「急に仕事入っちゃったらしくて」

「え?」

「今日来れなくなったんだよね」

思わずため息が出る。

わざわざ仕事終わりに来たのに。

「じゃあ今日は解散?」

そう言うと、莉美の旦那さんが慌てて首を振った。

「いや、代わりに別のやつ呼んだから」

「代わり?」

「うん。今向かってる」

意味が分からない。

紹介予定だった人と別の人では話が違う。

「いや、それもう別人じゃん」

思わず笑う。

莉美も吹き出した。

「確かに」