そう――。
どんなに他の人に優しくされても。
どんなに温かく包んでくれても。
それが和馬くんじゃないってだけで、心が満たされないんだ。
だって、あたしの細胞は、和馬くんじゃなきゃ反応しないんだから。
「ゆず――」
ギュッと、和馬くんに抱きしめられる。
その瞬間、安心感からか、ポロポロと涙があふれた。
「俺だって、ゆずじゃなきゃダメなんだ」
和馬、くん……
「修学旅行の間、ヒロや健といるおまえを見て、ずっと苦しくて」
「それは、和馬くんが、あたしのそばに、いてくれなかったからでしょ?」
嗚咽がこぼれる。
「ごめん、それができなかったんだ」
「……え?」
どういう、こと?
「あの女と約束したから――」
あの女……って。
リーダーのこと?
約束って、自由行動を一緒に回るってヤツでしょ?
そんなの簡単に断ることだってできるじゃん……
「あいつ、俺がずっと傍にいれば、もうゆずに手を出さないって言ったんだ」



