取り残されたあたし達は、しばらく無言のまま。
和馬くんは床に座り込んで、口の端から滲む血を手の甲で何度も拭っていた。
「くそっ――。何なんだよ、あいつ」
また、和馬くんが顔を歪めた。
あたしは和馬くんのそばにしゃがみ込んだ。
ポケットからハンカチを取り出し、和馬くんの口元に持っていく。
「ごめんね、和馬くん」
「どうしておまえが謝るんだよ。おまえは何もしてねぇだろが」
「だって、あたしのせいで、こんな……」
俯き加減に言うと、『は?何様だよ』と、和馬くんが眉間にしわを寄せた。
「健は、俺の態度が気に食わなくて殴ってきたんだよ」



