「た、健くん……」
丸めた目を健くんに向けると、とても切ない表情で、あたしの方を向いた。
でも、和馬くんを見下すときには、険しい顔つきになった。
「和馬。てめ、ふざけんなよ。何甘えてんだよ。今のおまえなんかな、ヤキモチ妬く資格すらないんだよ」
「………」
「こいつの事全力で守って、男なら男らしく言いたいこと伝えろよ!!そんなこともできないガキと、俺はずっと幼なじみは続けられねぇよ」
冷たい声で言った健くんは、ポケットに両手を突っ込み、踵を返した。
「……ちょっと、待てよ……」
痛さをこらえながら、和馬くんが体を起こした。
殴られた口元を手の甲で押さえている。
「勝手に言いたいこと言いやがって……」
ク――ッ。
苦しそうな声が漏れた。
「誰がガキだって?ふざけんなよ……クッ……最初っから、こいつは俺のもんだ」
か、和馬くん……
「もう2度と、こいつに手ぇ出すんじゃねぇぞ」
顔を歪めながらも、健くんを睨みつける和馬くん。
健くんは、しばらく和馬くんを見下したあと、表情を変えずに、放送室を出て行ってしまった。



