人だかりを縫って、放送室を目指した。
あのままあそこにいるわけにもいかなかったし、それに……
このままだと、絶対和馬くんは、健くんを――
ドカッ――!!!!
ガタガタガッシャーン!!!!
「はっ――!!!!」
スピーカーから、鈍い音と、何かの倒れる音。
一足遅かった。
和馬くんが健くんに手を上げる前に止めたかったのに……
「健くん――!!」
勢いよく、放送室のドアを開ける。
――え?
その瞬間、目が丸まった。
てっきり、スピーカーから聞こえた鈍い音は、和馬くんが健くんを殴った音だと思ったのに。
床に崩れて顔を歪めていたのは、和馬くんの方だった。
「あ、あれ?」
予想外の出来事で、止めようとしていた体が完全に停止してしまった。



