突然、健くんが歩き出した。
教室に背中を向け、無言で廊下を歩いていく。
「ちょ、おい!!どこ行くんだよ、健!! もう授業始まるぞ!!」
ヒロくんが叫んでも、健くんは振り返ることなく、廊下を曲がっていった。
あたし達は顔を見合わせ、また健くんの消えた廊下へ目を向けた。
――健くん?
健くんは、4時間目になっても教室に戻ってこなかった。
和馬くんの席もポカンと開いている。
一体、どこに行ったの?
和馬くんの居場所を知ってるとか?
だったら、何か一言言ってくれればいいのに。
せっかく気持ちを伝えようって決心したのに。
鈍るじゃんか……



