ク――ッ。 と、健くんが唇を噛みしめた。
「だから……和馬に、ゆずの気持ちを、真正面からぶつけてほしいんだ……」
「………」
「そうしたら、俺もすっきりするから」
目を上げた健くん。
その瞳は濡れていて。
こんな健くんの姿は、今まで見たことがない。
いつも大人でクールな健くんが、今は何だか小さな子供のように見えた。
健くんは、あたしに本気でぶつかってくれた。
健くんがどんなに和馬くんのことを大切に思ってるのかもわかった。
龍兄やヒロくんの言うとおり、何があっても、あたし達は壊れない。
幼なじみだから。
健くん。
あたし、健くんに背中を押してもらったから、もう怖くないよ。
ありがとう。
和馬くんに気持ちを伝えて、体当たりしてくる。
みんなの思いを、無駄にしたくないから――。



