10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!


健くんは、あたしの目を真っすぐに見て微笑んだ。

「体育祭んとき、俺が和馬に何を言ったか教えてやろうか?」

え? と、健くんを見上げる。

「あの時、おまえを賭けたんだ」
「………」
「短距離走で勝った方が、おまえと付き合えるって。もし俺が負ければ、もう手は出さないって」

そんなことを……

「でも、まさかの同着でさ。決着はつかなくて……。だから、俺にもまだチャンスはあるんだって思ってたんだ」

けど――。
と、健くんは言葉を続けた。

「おまえの気持ちがもうはっきり決まってて。何となくそれがわかったからさ」

健くんが、フッと目を伏せた。

「多分……引きずると思う」

健くんの嗚咽が聞こえる。

「すぐには、諦められないから……」

紅葉の木が揺れる度に、健くんの頬を流れるしずくがキラリと光った。

「でも、おまえを困らせるようなことはしないから」