健くんの体が、あたしに向いた。
視線も真っすぐに。
健くんの瞳には、まだ星が映っているようだった。
「おまえはもう傍にいないのに、気持ちだけが加速していって。おまえが、10年ぶりにこっちに帰ってきて、それが爆発したんだ」
健くんは、眉間にしわを寄せ微笑んだ。
「抱きしめてもいい?」
あたし達の隣に静かに立つ紅葉の木が、カサカサと鳴いた。
その影が、健くんの切ない表情を隠す。
小さく頷いたあたし。
その瞬間、ギュッと温もりに包まれて――。
「ねぇ、健くん。聞いていい?」
「うん?」
あたしの耳元に、健くんの温かい息がかかる。
「どうして、健くんは、あたしなんかを好きになってくれたの?」



