指定された場所は。 昨日、嫌な場面を目撃してしまった場所。 正面玄関の自動ドアを出て、健くんの姿を見つけた。 オレンジ色のライトの側に立ち、夜空を見上げている。 今日の健くんも、浴衣姿だった。 そっと、隣に立つ。 でも健くんは、夜空を見上げたままだった。 「星、結構出てんだな」 静かな声。 空を見上げながら言った健くんは、白い息をはいていた。 昨日よりも、少し空気が冷たい気がする。 「ホントだね」 あたしも、健くんと同じように空を見上げる。 あたしの口からも、白い息が出た。