肩に回される手に、少し力がこもった。
お互い、もう何も言わない。
健くんには、伝わったよね。
あたしの決心。
あたしは、健くんの顔を見ることができなかった――。
「……全っ然、楽しくなかった」
人力車から降りたヒロくんは、ずっとふて腐れていた。
「どうして、あれ2人乗りなの?」
「…さぁ、どうしてだろ」
アハハと、苦笑い。
「どうして3人じゃいけないの!?」
「…さぁ、どうしてだろ」
アハハ。 もう一度苦笑い。
「健だけずるい」
ギロリと、健くんを睨みつけた。
健くんは、フっと微笑む。
「ゆず。金閣寺行こうぜ」
「ちょ、おいっ!!また俺だけ置いてけぼりかよ!!」



