「……え?俺、1人なの!?」
ようやくあたし達の番になり、あたしは健くんと一緒に人力車に乗りこんだ。
その後ろで、ヒロくんが1人叫んでいる。
「え? なんで?どうしてっ!?」
「ちょ、キミ。危ないからちゃんと座って!!」
お兄さんに体を押さえられながらも、身を乗り出している。
あたしは、隣の健くんと目を見合わせ肩をすくめた。
「…って、ねぇ!!俺を1人にしないでよっ!!ねぇってばぁ!!!!」
ヒロくんの叫びも虚しく、あたし達の乗る人力車が出発した。
そのすぐ後ろから、ヒロくんがついてくる。
「ヒロくん、ちょっとかわいそう」
「まぁ、いいんじゃね?」
健くんは、あたしを横目で見ながら微笑んだ。
「だって。今日は、俺の彼女でしょ?」
――ッ!!!!
「独り占めしたって、バチはあたんねぇだろ」



