しばらく健くんの胸を借りていたあたし。 呼吸を整える為に深呼吸をし、健くんの胸からゆっくり顔を上げた。 濡れた頬に、横髪がくっつく。 それを、健くんが優しい手付きで取ってくれた。 「1日だけでいいから――」 「………」 「明日だけ、俺のものになってよ」 視線が絡む。 健くんの瞳は、とても柔らかい色をしていた。 締め付けられる心臓。 ――『俺のものになってよ』