顔を健くんの胸に埋める。 今日2度目だ。 もう、和馬くんへ目を向けられなかった。 怖くて、怖くて、怖くて。 一層、もやがかかってしまった…… 健くんは、和馬くんの方をずっと見ていたのに。 何も言うことはなかった。 ただあたしの体を支えて旅館の中に入れてくれた。 お風呂上がりだったんだろう。 いつもより温かい健くんは、あたしと同じ浴衣を着ていた。 ロビーのふんわりとした椅子に座らせてくれる。 しばらく無言の2人。 震える手が、止まらなかった。