一回の勇気でいいのに。
心と体がうまくついていかないのは、どうして?
こんなにも自分がわからなくなるのは、どうして?
考えても考えても、答えは出そうになかった……
キュッ――。
シャワーを止め、髪をかきあげる。
バスタオルで水気を拭き取り、鏡で自分の顔を見た。
蒸気でくもったガラス。
あたしの顔は、微かに見えるだけ。
あたしの今の気持も、まさにこんな感じだった。
はっきり決まってるはずなのに、少しもやがかかってる。
全く先が見えなくて。
どんなにライトで照らしても、何も見えなくて。
ゆっくり手探りで、怯えながら進むことしかできない。
――怖い。
怖い。
和馬くんがいなくなるのが、怖い――…



