「マジでいいの?ここからの景色最高だったのに」
「ぜ、全然いいの。色んなところで撮れればそれでいいし」
「そう?」
「うん、そう」
はぁ……
なんだか、旅行どころじゃない。
和馬くんの事が気になって仕方ない。
まだ自由行動でもないのに、あたし達の近くにいない和馬くん。
フラッシュの中で見た和馬くんの姿は、まぼろし、だったのかな。
あまりにも和馬くんのことを考え過ぎて、あたしの中で作り出してしまったのかも。
いつの間に、こんなに気持ちが大きくなってたんだろう……。
ポン――。
頭に、柔らかい感触。
右上を見上げると、健くんが、眉間にしわを寄せ微笑んでいた。
それは、とても切なげで。
また、あたしの心臓が軋んだ。
そうだよね……
あたしの考えてることなんて、全てお見通し。
なんだよね……
ごめん、健くん――…



