「ここ清水寺は、778年(宝亀9)延鎮上人が音羽の滝の上に庵を結び、千手観音を祭ったのが始まりで――」
“4号車”と書かれた小さな旗を掲げたガイドさんが、D組の先頭に立って時々振り返りながら説明をしている。
蛇腹折りのガイドブックを片手に、横一列に並ぶ様々なお土産屋さんを見ながら歩いた。
「おー、すげぇ。メッチャお店あるじゃん」
あたしの隣を歩くヒロくんの目が、キラキラと輝いた。
「ねー、後でこの店来ようよ。抹茶飲めるんだって」
メニューの見本が並ぶガラスケースを指差して、あたしと健くんの顔を交互に見た。
あたしは健くんと目を見合わせ、微笑みながら肩をすくめた。



