横にいる心花ちゃんはというと、ぷいと他を向いて、耳を赤くしていた。
…ねえほら、期待しちゃうじゃん。
僕のこと好きなんじゃないかって。
「いいから帰るよっ」
「お兄ちゃん誤魔化したー!」
「ほら、身支度して」
「はーい」
2人に帰り支度をさせて、家まで歩く。
後ろを歩く心花ちゃんは、どこか上の空だった。
「心花ちゃん?」
「え、あっ…」
「どうかした?」
「いえ…」
伏目がちに首を横に振った。
「心花ちゃんは、お兄ちゃんのどこが好きなのー?」
紗也が後ろを向いて、心花ちゃんに聞いた。
「すっ…え、いや、付き合ってないよ…?」
「え、ほんとにー?」
「…うん。私が付き合えるような人じゃないよ」
「なんで?」
「お兄ちゃんは、学校で1番カッコよくて人気者なんだよ。私みたいなのには、釣り合わないよ」
「そうなの?」
釣り合わないって、何だよ…。
好きか、好きじゃないかで俺のこと見てよ。
家に着くと、侑也と紗也を手洗いうがいするように促して、中に入れた。
「ありがとね、心花ちゃん。何かあったら家おいで!じゃあね」
「はい。お疲れ様です」
「おつかれー!」
心花ちゃんはいつもより少し柔らかく笑った。



