「目黒先輩ー!おはようございます!」
「目黒くんー!おはよー」
いつも通りの朝。
「おはよー」
ニコリとして挨拶を返しながら、いつも探すのは、名前も知らないお姫様。
華美なわけではない。
むしろ清楚で、ツヤツヤした黒髪姿がよく似合う女の子。
顔もものすごく可愛くて、どストライク。
たまに見かけるのが、日々の幸せだったりする。
あわよくば付き合えたらな、なんて。
烏滸がましいか。
いつか、好きって言えたなら。
なんて淡い夢を抱えながら、接点なんてないと、諦めかけているけれど。
その日の放課後のこと。
急に大雨が降ってきた。
昇降口で外を眺めていると、少し離れた横に、例の子がいる。
え、これチャンス?
彼女は傘を持ってないようだ。
僕は折り畳み傘がある。
渡したらカッコイイ…かな?
「…ねえ、雨宿りしてるの?」
そう問うと、上目遣いでこちらを見て、頷いた。
なんだなんだ、僕のキュンが止まらない。
顔の火照りを感じる。
「あの、傘あるから良かったら」
と手渡してみた。
彼女は恐る恐る手に取って、消え入りそうな声で
「ありがとうございます」
と言って、帰っていった。



