けど、腕が後ろに引かれた。それはまるで、引力のように感じた。 「ごめん、結城。嘘ついた。 ーーーーーほんとは別館に向かうのが見えて、気になって追いかけたんだ。 だからあれは、結城と………蓮見だった」 ぐらり、視界が揺れるような感覚がした。 だけど、同時に神崎くんらしいなと思った。 だって、最初に"嘘"をついたのは、私の方だったのに。