銀白虎






「…………っうじ!」


彼女もそうだったみたいで、辛うじて反応をしたものの、とても驚いた顔をしている。




「ずいぶん、楽しそうですね?」


にっこり、彼は微笑んだ。

その瞬間、部屋が凍りついたかのように急激に寒く感じた。



ーーーやばい。なにか嫌な予感がする。


寒さに身を縮ませながら、彼女の様子を伺えば、先輩は頰を赤く染めていた。


ーーーーえええええ!うそでしょう!?



彼女は気づかないのだろうか。

彼女には、わからないのだろうか。




ーーーーー彼の目が、笑っているのに笑っていないことに。