じぶんは、無力だ。 なんて、無力なんだろう…。 貰ってばかりで、 "彼"に何も返すことができない。 こんな自分が、悔しくて。 この落ちていく髪とともに、全部捨てていけたらいいのに。 こんな自分、捨ててしまえたらいいのに……… ーーーーーー生暖かいものが、頬を伝った気がした。 「ーーーーーー何、してるんですか?」 凛とした、声が響いた。 それは、瞳から雫が落ちていくのと、ほぼ同時で。 まるでそう、張り詰めた空気を切り裂くような音だった。 驚いて、すぐには声が出なかった。