ーーーーー「あすか。」 ーーーーー「今日の夕飯は、飛鳥の大好きな唐揚げよ」 ーーーーー「だから寄り道せずに、まっすぐ帰ってくるのよ」 ……………それが、お母さんと交わした最後の言葉。 あの日から、あたしはーーーーー唐揚げを食べていない。 「行くぞ」 その声に、ふと、我に返る。 どうやら、ぼーっとしてしまっていたらしい。 「うん、」 なんだか、今日は憂鬱だ。 雨が降ってるせいかもしれない。