それに反比例するかのように。 「…ちっ。あー、遅いね!待ちくたびれたっつーの。んな小洒落たの着てっから悪りぃんだよっ」 神崎くんは毒を吐いて、ぷいっとそっぽを向いてしまった。 …ん?あれ? また機嫌が悪いぞ…。 神崎くんも意外と不思議さんだな…。 「悪かったよ、“王子役”の衣装は大変だったから…」 言葉とは裏腹に。 にっこりと笑う彼…。 ブ、ブラックになっていらっしゃる!! しかも顔は神崎くんとあたしにしかわからないから… 声だけ聞いていたら、申し訳なさそうに謝っているように見える。