ピピピピ、と目覚まし時計が鳴る前に、咲良は勢いよく跳ね起きた。
次の日の土曜日。
ついに、綾瀬先輩とのデートの日がやってきてしまったのだ。
遠足の前の日の子供みたいに緊張して、昨夜はろくに眠れなかった。
「うわ、もうこんな時間……!?」
お風呂に入って、髪を乾かして……とやっているうちに、時間はあっという間に過ぎていく。
何より、クローゼットの前から一歩も動けない。
あーでもない、こーでもないと服を合わせては放り出し、気づけばベッドの上が服の山になっていた。
「いやいや、何真剣に悩んでんのよ、私!これは体育祭の時のお礼なんだから!深い意味なんてないんだからね!?」
ぶんぶんと激しく首を振って、自分に言い聞かせる。
それでも結局選んだのは、袖が透け感のあるシースルーになっていて、爽やかな水色が綺麗な、とっておきのワンピースだった。
毛先はヘアアイロンでほんのり内巻きにカール。
仕上げにお気に入りのピンクのティントリップを唇に滑らせる。
「よし、完成!」
鏡に映る自分に気合いを入れた、その瞬間。
ふと壁の時計が目に入り、咲良は凍りついた。
「いけない、もう出ないと間に合わないっ……!」
慌ててバッグを掴み、家を飛び出す。
駅までの道を全力で駆け抜け、電車に飛び乗り、なんとか約束の時間ギリギリに待ち合わせの駅へと滑り込んだ。
「はぁ、はぁ……間に合っ、た……?」
乱れた息を整えながら、改札を出て待ち合わせの場所を見渡す。
その瞬間、咲良の視線はある一点で釘付けになった。
駅の大きな柱に、すっと身体をもたれさせて立っている人がいる。
(……嘘、あれ、綾瀬先輩……?)
心臓が、ドクンと大きく波打った。
元から誰もが振り返るほど顔が良い人なのは知っていたけれど、私服姿の先輩を見るのはこれが初めてだ。
いつも着崩している制服とは、全く違う雰囲気。
シンプルな白のTシャツに、首元で鈍く光るお洒落なネックレス。
もっとチャラチャラした派手な格好で来るかと思っていたのに、想像していたよりもずっと落ち着いていて、大人っぽい。
まるで、咲良の水色のワンピースに合わせてくれたかのようなコーディネート。
「かっこいいな……」
声に出さず、ぽつりと呟いてしまう。
あまりの綺麗な佇まいに、咲良は足を止めて、完全にぼーっと見とれてしまっていた。
すると、綾瀬先輩がふっと顔を上げ、きょろきょろと辺りを見回し始める。
自分を探してくれているんだ。
(あれ、私、今なんて…?)
はっと我に返り、頬を両手で軽く叩いて気を取り戻す。
緊張で震える足に力を込め、咲良は綾瀬先輩のもとへと走った。
次の日の土曜日。
ついに、綾瀬先輩とのデートの日がやってきてしまったのだ。
遠足の前の日の子供みたいに緊張して、昨夜はろくに眠れなかった。
「うわ、もうこんな時間……!?」
お風呂に入って、髪を乾かして……とやっているうちに、時間はあっという間に過ぎていく。
何より、クローゼットの前から一歩も動けない。
あーでもない、こーでもないと服を合わせては放り出し、気づけばベッドの上が服の山になっていた。
「いやいや、何真剣に悩んでんのよ、私!これは体育祭の時のお礼なんだから!深い意味なんてないんだからね!?」
ぶんぶんと激しく首を振って、自分に言い聞かせる。
それでも結局選んだのは、袖が透け感のあるシースルーになっていて、爽やかな水色が綺麗な、とっておきのワンピースだった。
毛先はヘアアイロンでほんのり内巻きにカール。
仕上げにお気に入りのピンクのティントリップを唇に滑らせる。
「よし、完成!」
鏡に映る自分に気合いを入れた、その瞬間。
ふと壁の時計が目に入り、咲良は凍りついた。
「いけない、もう出ないと間に合わないっ……!」
慌ててバッグを掴み、家を飛び出す。
駅までの道を全力で駆け抜け、電車に飛び乗り、なんとか約束の時間ギリギリに待ち合わせの駅へと滑り込んだ。
「はぁ、はぁ……間に合っ、た……?」
乱れた息を整えながら、改札を出て待ち合わせの場所を見渡す。
その瞬間、咲良の視線はある一点で釘付けになった。
駅の大きな柱に、すっと身体をもたれさせて立っている人がいる。
(……嘘、あれ、綾瀬先輩……?)
心臓が、ドクンと大きく波打った。
元から誰もが振り返るほど顔が良い人なのは知っていたけれど、私服姿の先輩を見るのはこれが初めてだ。
いつも着崩している制服とは、全く違う雰囲気。
シンプルな白のTシャツに、首元で鈍く光るお洒落なネックレス。
もっとチャラチャラした派手な格好で来るかと思っていたのに、想像していたよりもずっと落ち着いていて、大人っぽい。
まるで、咲良の水色のワンピースに合わせてくれたかのようなコーディネート。
「かっこいいな……」
声に出さず、ぽつりと呟いてしまう。
あまりの綺麗な佇まいに、咲良は足を止めて、完全にぼーっと見とれてしまっていた。
すると、綾瀬先輩がふっと顔を上げ、きょろきょろと辺りを見回し始める。
自分を探してくれているんだ。
(あれ、私、今なんて…?)
はっと我に返り、頬を両手で軽く叩いて気を取り戻す。
緊張で震える足に力を込め、咲良は綾瀬先輩のもとへと走った。



