「橘ぁ~!!どーこ行ったァ~!!」
「橘く~ん!写真1枚だけ撮らせて~!!」
文化祭当日の騒がしい校舎はどこもかしこも他校や自校の生徒で溢れかえっている。
そんな中、絶えず聞こえてくるのは俺を呼ぶ声。
何をしようがどこにいようが必ず誰かから引き止められる。
理由は、そう、
―――俺がイケメンすぎるからだ。
いや、分かってる。自分で言うなよ、って突っ込まれるのは分かってる。でもこれだけはしょうがない事実なんだよ。
幼少期の頃から俺の周りには常に【橘蓮ファンクラブ】という名の女子軍団がついてまわったし、都心なんて行こうものなら3歩歩いたらスカウトされる。
こんな環境なら否応無しにも分かってしまうのだ。
―――――自分がイケメンだってことに!!
「どーにかまけないかなぁ、アイツら…」
ボリボリと頭をかきながら、手に持っているビニール袋をがさりと広げる。
そこには、毛糸で作ったあみぐるみたちがキラキラとしたつぶらな目を輝かせて俺を見ていた。
「あ~、我ながら上手すぎる、俺っ…!!」
