ひと足もふた足も遅れて、全力で校舎を駆け抜ける。
息が上がって、ちょっと苦しい。
目が熱くて涙が出そう。
つんのめりながら靴を履き替えて外に出ると、校門前に人だかりが出来ている。
「すみません……あの、通ります……っ」
それすらも必死でかき分けて、大好きな人たちの元にやっとのことで辿り着いた。
「ひよりっ!驚いたか!?」
人だかりから抜けた私を見つけた瞬間、赤髪を揺らして太陽みたいに弾ける笑顔。
目の当たりにした女の子達が、「きゃああっ」と黄色い声をあげる。
「陸くん……どうして……」
息を切らせながら、呆然と彼を見上げる。
陸くんはん?と首を傾げて、あっけらかんとして答えた。
「なんか、爽真さんがサプライズで会いに行けって――むぐっ」
陸くんの真後ろにいた爽真くんが、陸くんの首根っこを掴んで引っ張り黙らせる。
まるで、“余計なこと言うな”とでも言うかのように。
「……会いにきてくれて嬉しいですっ。ありがとう、陸くん」
どうしてかその意図を察して、これ以上陸くんがボロを出さないようにふわりと笑う。
照れたみたいにきょと、とした陸くんが「おう!」と元気に頷いてくれた。
「この後デートな!どこいく!?前ひよりが行きたがってたアイス屋行く!?」
「はいっそうしましょう。楽しみですっ」



