「えと、はい……そうです」
「だよね。新学期どう?鬱陶しいのに絡まれてない?」
「私はヤラセがどうとか、爽真とはどう、とか言ってくるやつ多すぎてダルい」と、瑠奈ちゃんは心底面倒くさそうな顔をしている。
さっきとは違う、嫌なドキドキを刻む胸。
これは、なんて言うのが正解なのでしょうか?
「ひより?」
訝る声に、ハッとする。
ずっと沈黙していたことに気づいて、作り笑顔になってしまった。
「私は……そうですね。はい、いろいろ言う人は、ちょっとはいて、」
“そうまくんとしおんくんって”
ほんの数時間前に言われたことが鮮明に蘇って、苦しくなる。
「……そ、爽真くんとは……って……」
喉に支えた言葉がうっかり口からこぼれて、またハッとして口を閉じた。
瑠奈ちゃんの眉間に皺が寄って、目がギュッと細くなったからびくりとする。
途端に泳いだ目を隠すために、急いでフラペチーノを持ち上げて勢いよく飲んだ。
「ひより、学校好き?」
ずきん。誤魔化す手すら止まってしまった。
「……な、なんでですか……?」
「学校ってワード聞いたあたりから、ちょっとおかしい気がして」
……どうしてわかったんでしょう。
強気で澄んだまっすぐな瞳は、私を捉えて離さない。
「爽真と繋げとか言われた?断って嫌な顔された?
そのせいで嫌な目にあったりしてないよね?」
怒涛の推測が全部当たってて胸に刺さる。
……でも、最後のはちょっとだけ理由が違う。



