思い出すと、胸がギュッと切なくなる。
恋の結末は幸せだったけど、そこに瑠奈ちゃんがいないのは寂しかった。
「私はヒーローなんて、そんな大層なものじゃないけど……。そうやって味方してくれたのは、ありがたいことだと思うから。だから、ありがと」
言ってすぐ瑠奈ちゃんの視線は手元に落ちて、咥えたストローが大人味のレモンティーを吸い上げていく。
胸がじわりと熱くなる。
ギュッと握ったフラペチーノが、手の熱で溶けていく感覚がした。
「瑠奈ちゃんは私のヒーローですよ。
初めて庇ってくれた日から……私の憧れで、大切なお友達ですっ」
ぴた、と瑠奈ちゃんのストローから透けた液体が落ちてプラカップに戻っていく。
綺麗なお顔がまた困ったように歪んで、感情を逃すように外を見た。
「ひよりってほんと……ストレートだよね」
「はいっ好きな人には好きって言いたいですっ」
「そっか」
私が嬉しさを隠さずにこにこ笑うのを、ちらりと見た瑠奈ちゃんも小さく笑う。
そうすると余計に嬉しくて、楽しい時間がずっと続いた。
「そういえばひよりの学校って、華女?女子高って、ひよりのイメージまんますぎでしょ」
“学校”の単語にドキリとする。
今着ている制服は臙脂色に白ラインが特徴の襟の、セーラー服。
偏差値は……だけど、制服の可愛さで有名な私立の女子高のものだ。



