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16:30。
学校帰りの学生さんたちで賑わう都会の真ん中で、人混みに巻き込まれながらきょろきょろと瑠奈ちゃんを探す。
瑠奈ちゃんといえば毛先の緩い巻き髪と、リボンが可愛いハーフツイン。それから、甘いピンクコーデ。
でも、“本当の瑠奈ちゃん”は違うから、送られてきた特徴をキーワードに探さなくちゃいけない。
「ひより?」
よく知った甘さの中にある、凛と清涼な声にドキリとして振り返る。
「あ、やっぱりひよりだ。見た目変わんないね」
クールそうなサラサラストレートに、前開きシャツと黒っぽい生地の膝上プリーツスカート。
強気な瞳が綺麗なのに、笑うとちょっと眉が下がる可愛いお顔は紛れもなく瑠奈ちゃんだ。
「瑠奈ちゃんっ!本物ですっ!やっと会えましたっ。
何も言わずにいなくなるなんてひどいですよ!しかもあんな無茶して……!もう会えないのかと思って悲しかったんですからねっ」
わっと溢れ出た感情のまま姿勢よく立っているその胸に飛び込んで、きつくきつく抱きしめる。
そんな私を受け止めながら、周りを歩く人たちが何事かと振り返ってくるのを、瑠奈ちゃんが慌てて見渡した。
「ご、ごめんね。ひより……でもすごい見られてるから。一旦落ち着いて……」
狼狽した声が紡ぐ言葉に、ハッとして顔を上げる。
私の両肩に柔く手を置いて困ったように半笑いする顔に、ドキドキと胸が高なった。
「瑠奈ちゃん、ひよりって呼んでます」
「え?ああ。もう演技する必要もないし、いいかと思って」
「話し方も違いますっ」
「あー。うん。こっちが普通なの。違和感やばいよね」
「どっちも可愛いですっ大好きです!」
「え?……あ、ああ……ありがと……」
ふい、と顔を背けた瑠奈ちゃんの頬がほんのりと赤い。
涼しい顔も少し硬くなって、口角が微妙な角度で止まっていた。
いくつも見つかる新しい表情に、ふふとくすぐったい気持ちになる。
離れた側からしっかりとその華奢な腕にしがみついて、2人っきりを堪能した。



