“ちゃんと瑠奈と話せた”
夜中に爽真くんから届いていたメッセージを思い出す。
早朝には瑠奈ちゃんから付き合ったいう連絡も来て、ちゃんと瑠奈ちゃんと私を繋いでくれたことにホッとした。
(だから爽真くんはダメです……っ。)
そして、紫苑くんもそういうことは好まなそう。
……そもそも、人の連絡先を勝手に教えることなんて。
長く黙り込んでしまって、痺れを切らした小川さんたちが「ちょっと」と私を呼ぶ。
「あ……っ。いえ、2人とは、ぜんぜん…あれ以来関わってません」
嘘をついてぎこちなく引き攣った口元に、彼女たちは気付かない。
返事を聞いた途端みるみるうちに白けた顔になって、ふっと机から手を離した。
「へぇ、あっそ。やっぱ使えないわ。春野さん」
ふい、と小川さんが踵を返した時に感じた、強すぎる整髪剤の匂いがお腹に落ちる。
私の周りがたちまち透明になって、静かに閉じていく。
いつからでしょう?学校が居心地悪くなったのは。
もともと上手く馴染める方ではなかったけど。
押し付けられそうになった掃除当番を、断ってしまった時から?
その頃から、些細な言動まで拾われてクスクス笑われるようになった気がする。
教室前のスピーカーから、チャイムの鳴る音がする。
ガヤガヤとした話し声が椅子を引く物音に早変わりして、先生が入ってきた途端音がなくなる。
かと思えば、夏休み前の単元を覚えているかと始まる話。
またぼんやりと、窓の外に顔を向けた。
――学校は、もともと好きではありません。



