「……心配かけたんなら、ごめん。でも……」
「はっ……?え。
いや、全然違うけど」
「え?」
切なく張り詰めていた空気が急に緩んで、紫苑は若干引いている顔になる。
私の手を拘束していた力も緩んで、きょとん顔の私に紫苑が口端を引き攣らせた。
「まぁ、2割くらいは合ってるけど……
“そう”じゃないでしょ。絶対に」
“心配”は、時にその対象以上に心が傷むもの。
爽真がそう教えてくれたから――
さっきの紫苑の表情も、そうなんだと思ったのに。
「……そうなの?
なんだ、傷つけたかと思って焦った……」
素でホッとして胸を撫で下ろした私を見下ろして、紫苑の表情がまた固まる。
じゃあ何だったんだ、と私が顔を顰め始めたのをしばらく見つめて、笑いともため息ともとれる息を吐いた。



