「そろそろ出ます!」
スタッフの指示で、4人が頷く。
「じゃ、……行こ。彩加」
大和が照れくさそうにしながら、なんとなく彩加に手を差し出す。
「えっえっえ!?ここで!?」
「いいでしょ、別に」
初々しい上になんか生々しいやりとりに、周囲がざわつく。
甘ったるい空気に、私まで当てられて赤面しちゃって。
(あの2人、そこまで進んでたの!?
大和、かなり攻めたんだな……)
自分の盤面に手一杯で、他の恋模様に気づけなかった。
収録も終盤。
嘘でも本当でも、みんな、恋に向かって進んできた。
私だけじゃない。
みんなだって、きっと結末を決め始めている。
「爽真くん、私たちも……」
「……うん」
辿々しい美玲の声と、そっけない爽真の声が私の横顔に刺さる。
付き合い始めみたいな、大和と彩加以上の初心感。
正直嫌だし、多分嫉妬ってやつもしているんだけど。
(もう揺れない。大丈夫、大丈夫……)
今はずっと理性が警鐘を鳴らす“不安なこと”よりも、心の葛藤が大きくて。
2人を吸い込んでしまっていくドアを、一瞥もせずに見送ってしまった。



