「おかえりなさいっ」
天の助けとばかりに、ひよりが1番に4人の元に駆け寄る。
「ただいまー……って、またすぐ出ていっちゃうんだけどね」
ひよりを受け止めた彩加が、カラッと明るくそう言った。
「ええ、そうなんですか!?」
「うん。移動にちょっと時間かかるみたいだからね〜。
帰ってくるのは夕飯前かな」
「ちょっと遠出なんですね……」
「どこ行くんですか?」「水族館!」と、楽しげな会話が聞こえてくる。
カメラが捉えてるのは、私たちの方――というか、紫苑。
爽真と美玲へのリアクション演技を求められているみたいだ。
「……」
その瞬間、紫苑は私に向けていた疑いの目を、ふっと伏せて美玲達とは逆側に視線を流す。
暗い顔を隠すみたいな頬杖と、ぷらぷらとシャーペンを持て余す仕草。
お見事。と思わず感心するけど、私も画角の中。
「瑠奈達お留守番組は、みんなで仲良く過ごそうねっ♡
ねー。紫苑くん♡」
“嫉妬する紫苑”に向かって、“心配だけど、飯うま状態の瑠奈”を演じておいた。



