まだ驚いたポーズを保ったままの美玲の目が、キラキラと輝いている。
ゆっくりと手を下ろして、美玲のつま先が内に入る。
ここにいる全員にも、多分視聴者にも分かりきった答えがあるのに焦らして見える間が期待を高める。
圧倒的ヒロイン。
カメラもその向こうも、誰もが美玲に注目していた。
小さな赤い唇が、ゆっくりと息を吸う。
緊張して震えた小声は、全員の期待を裏切った。
「……爽真くん……」
大和や彩加、ひより、陸の顔がわかりやすく驚いて固まっている。
当事者だと言うのに、爽真はしれっと涼しい顔。
紫苑は――ちゃんとカメラに向かって、動揺している顔を作っていた。
心の中に、どんどん状況証拠が積み上げられていく。
それでぐちゃぐちゃにかき乱されるけど、頭には番組上の懸念もあって。
(昨日、2人の間に決定的な何かがあったのはわかる。
わかるんだけど――……流石にこれは、急展開過ぎる)
台本上の悪い可能性を考えて、頭も心もごちゃごちゃで。
とにかく、いたずらに触れるのはよくない。
そう頭で判断して、私は周りに溶け込むように少し口を開けたまま無反応を貫いた。



