台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


――……

冷静に考えて、高校生のシェアハウスにおままごとなんて置くわけがない。

けれど、もう答えに見当もつかないから、売り場を隅々見るしかない。


(30分いっぱい使ってひとつも見つからないなんてダサすぎる!せめて一個だけでも商品をゲットしないと)


もう一個のお題は捨てた。
もう間に合わないし、優勝を狙ってたわけでもないし。

マジックテープでくっついた半分に切れる野菜のおもちゃを、ざっと眺めていく。


これ、半分に切れてるけど――
“中心から同じ角度で線を引けば”ってことは、引けない場合もあるってことだもんね。

これではないわ。


「……優勝、したら、」


屈んでおもちゃを物色していると、明るいおもちゃのCMの音に紛れて、暗い声が耳に届く。

体を起こして、きょとんと爽真の方を見た。


無機質。だけど、頑張ってそうしてるみたい。


ほんの少し読めるようになってきた態度に、心の奥でホッとする。

けれど、どこか痛々しそうでもあるから、同時にざわつきもした。


「誰誘うの?」


――なんで今、それを聞く?

優勝なんてもう絶望的だし。
というか、元から想定してないし。

それに、“瑠奈”がなんて答えるかなんて――
爽真が1番よくわかってるじゃん。