台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


タイムアップまで、あと10分。
なのに私たちときたら、まだ一つ目の答えにすら辿り着いていない。

「ぜんぶ、切り分ける、ぜんぶ……」

ガチャガチャとしたおもちゃコーナーを回りながら、間を持たせるためにブツブツと呟く。

爽真は黙って私の後につきながら、商品棚を隅々見渡していた。


「あれ、爽真と瑠奈ちゃんだ」


おままごとのコーナーに差し掛かった時、背後から声をかけられる。


爽やかなミドルボイス。
振り返れば、カゴを持つ紫苑と彩加がいた。


「紫苑くんっ♡」

声を一段高くして、紫苑の元に駆け寄る。

爽やか王子の顔をした紫苑が私に微笑みかけながら、ちらっと爽真のことを見る。

目視でもわかりにくいくらい僅かに、爽真の目がピクリと動いた。


「はいはい、ここお店だから。距離近すぎるの禁止ー」


彩加が紫苑と私の間に立って、私が近寄るのをガードする。

彩加が伸ばした腕にわざと引っかかって、「意地悪ぅ」と頬を膨らませた。

「爽真たちは?もう全部見つけた?」

少し離れたところにいる爽真に、紫苑がさらっと声をかける。

爽真は何も答えない。一匹狼らしい無反応だ。