――爽真の腕にほんの少し力が入ったのが、手のひらから伝わってくる。
だけど今度は振り払われなくて、代わりにただ無反応にスルーされただけ。
「優勝したいんだろ。
なら、真面目に考えれば」
爽真がそっけなく歩き出して、腕に置いたままの手からするりと離れていく。
「待ってよ、爽真くん……っ」
クール男子に冷たくあしらわれる悪女を演じて追いかけながら、胸はドキドキと痛いくらい疼いている。
(冷たくするんだったら、きっちり最後まで冷たいままでいてほしかった)
私が“優勝狙ってる”なんて言ったから、真剣に考えてくれたってことだよね。
そんな風にされたら、夜に来なくても、昼に無視されても――
結局爽真は、私の味方じゃんって、思いたくなっちゃうよ。
「あーっ瑠奈ちゃんですっ」
爽真の考察に当てはまりそうなものを探して、雑貨コーナーをうろついていた時、ひよりと陸のペアに遭遇した。
「商品は見つけましたかっ?私たちはやっとひとつ見つけたところですっ」
ひよりが持つカゴの中には、フォトフレームが入っている。シンプルな木製のものが8個。
数を指定される場合もあるらしい。
「ええ、はやぁい。瑠奈たち、1個目もまだだよ〜」
ねぇ、と爽真に振り返るも、陸と何か話してて無視。
想定内だからいいけどさ。



