「はい、じゃあここにくじ引きボックスがあるので――……
早速男女に分かれて引いていきましょうか」
大和と美玲がスタッフから、大きなくじ引きボックスを受け取る。
番号札がついている棒を、一斉に引くタイプのくじ引き。
男女で分かれて半円に集まった真ん中に、ドーンと派手なくじ引きボックス。
みんなの顔に、さりげなく緊張が走った。
今回のくじに仕込みはない。
初の公開生配信。
上手く演技できるわけでもない人たちに、ぶっつけ本番のヤラセはさせられないのだろう。
(仕込みなんてないフリをする演技なんて、今まで何度もやってきているのに。
それでも避けるってことは、編集やカットで誤魔化せない、些細な素のリアクションが拾われちゃうってことだ)
「いつもより緊張しますね……っ」
「わっかる。今この瞬間を見ている人がいるってことだもんね……!」
ひよりと彩加が、くじ引きボックスを前に尻込みしている。
「きっと応援してくれてるから、大丈夫だよ。
ね、どれにする?」
2人を安心させるように、美玲が優しく微笑んでくじ引きボックスを揺する。
私も、実は感じてる緊張を手の中で握りつぶした。
「じゃあ瑠奈はぁー、これっ」
停滞する流れを押し動かすように、ぴょこんと飛び出てテキトーな棒を掴む。
(爽真とさえ当たらなければいい。
確率は1/4。今までの仕込みなしの時も当たったことなんてないんだから、大丈夫大丈夫……)
可愛い笑顔の裏で、必死に大丈夫を唱え続ける。
せーの、の合図で一斉に棒を引き上げた。



