台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―



8:15。

心では勇んで、外面では軽い足取りで階段を駆け降りる。

朝食の時間には普通に遅刻。
でもいい。それも“瑠奈”だから。


「おはよぉ。遅くなっちゃった♡」


悪びれもせず、頬に手を当てて可愛く小首を傾げる。

陸と彩加が、「まず謝れ!」と揃って肩を怒らせた。

みんなの方を見てすぐ、ダイニングテーブルの1番端の席に座る爽真の姿が目に入る。

こっちに振り返ることもせず、テーブルに視線を落とす無機質な横顔。


ビクッと心臓が揺れる。
前に進もうとした足が、思わずそこに踏みとどまりかけた。


(ばか!なに動揺しちゃってんの)


無理やり足を蹴り出して、ダイニングテーブルへと辿り着く。
それからたった一つの空席、爽真とちょうど対角になる席についた。

(セーフ。遠い。メインは全員向こう側だ)