台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

8月22日。日曜日。
5:00。

浅く寝ては覚めてを繰り返して、ベッドにうずくまる私に朝がやってくる。


深夜、爽真は来なかった。


どんなに喧嘩したって、気まずくなったって、
会わない夜はなかったのに。


(“どこにも行かない”って言ったのに。……嘘つき)

言った翌日に来ないなんてこと、ある?


巻きがとれかけた長い黒髪が、寝返りを打った私の顔を覆い隠す。


一晩中悪態をつき続けたけど、本当はもうわかってる。


爽真が美玲を好きなこと。

私に対する“特別”は、同じような孤独を背負う者同士の、同情と優しさだってこと。


昨日、爽真は紫苑と何かがあった。
その後、美玲とも何かがあった。

どちらとのことも、どんなやりとりがあったのか私はほんの少しも知らない。



だけど、その夜爽真が現れなかったってことは、
“そういうこと”だ。


(でも、そうならそうで、ちゃんと話して欲しかった)


私にだって隠し事があるくせに。

ズキンと強い胸の痛みが全身を支配して、より強く縮こまって苦しさに耐える。


どんなに私が爽真を手放せないと思ったって。

爽真が離れていってしまったら、
私には、その手を掴む術がない。