台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―


❤︎

「まずパッと見た感じさ。爽真の魅力って一辺倒じゃない?
クールに見えて優しい〜とか。不良が捨て猫に傘あげるギャップにときめく理論。ありきたりだよね」


紫苑がザッと集計されたコメントをなぞりながら、先手を打つ。

爽真はアンケートに目を落としたまま淡々と応じた。


「カメラの前で“王道”を演ってるお前に言われたくない。
俺はクールなつもりもないし、優しいは知らない。そうしたい相手にだけやってる。
それに、項目が多ければ魅力的ってわけでもないだろ」


完璧な切り返し。紫苑の余裕がぐ、と止まる。
その隙に、爽真がゆらりと鋭利な視線を持ち上げた。


「ていうか、お前へのコメントにちょくちょく入ってる“瑠奈を弄ぶ・からかう・意地悪”って何?
お前、瑠奈に何してんの?」


爽真の目に渦巻く嫉妬。それから明確な苛立ち。

それを逃すためにアンケートを叩く指を紫苑が見取って、わざと煽るように“やれやれ”のポーズをした。


「さぁ?色々心当たりありすぎてわかんないなぁー。
あれかなー。いや、あっちかなぁ?
……どれだと思う?」


イラッ。

憎たらしい笑みに爽真が舌打ちする。

いくらか満足したような紫苑が、一息ついて対抗するように黒い真顔になった。